━━━浜御塩工房竹敷で使用された平釜用重油ボイラーの使用量は?
このグラフは、2007年1月からの重油の使用量を表わしたものです。2007年は、海水をひたすら平釜で濃縮・結晶させていたので、重油の使用量も多くなっています。2007年以降で最も多く使用した月は、2007年12月で、52,677リットルものA重油を使用しました。
2008年1月26日からは、逆浸透膜による海水濃縮を実施しました。よって、その後のA重油の使用量は半減しています。
2008年9月からは、ネット噴霧式天日蒸発装置(2005年に設置以来、約3年間の実験実施)を本格稼働させました。
2011年1月からは、待望のバイオマスチップボイラーが導入でき、1月以降、重油は使用していません。(2010年12月は、バイオマスチップボイラーの配管作業等のため、釜炊きは実施してません。よって、グラフに示されているように、やはり重油は使用していません。)
━━━A重油の使用量を具体的な数字で教えてください?
1年間の重油使用量ベースでお答えすると、2007年(1月~12月)の総量は、465,719リットルです。2008年は、262,761リットルです。2009年は、195,350リットルです。2010年は、199,690リットルです。
企業努力によりA重油の使用量は、大幅に削減されてはいますが、それでも多量の重油を使用してきたことも事実です。
2011年からは、自然エネルギーであるバイオマスチップを原料に釜炊きを始めましたので、最終工程での平釜での重油の使用量は今年になって現在(平成23年9月15日)でも0リットル(ゼロリットル)です。
━━━重油削減によるCO2(二酸化炭素)の削減量は、どのくらいですか?
環境庁「総排出量算定方法ガイドライン」によると「A重油」の燃料の燃焼により排出される二酸化炭素(CO2)の排出係数は、2.6977 その排出軽水単位は、kg-CO2/Lとされています。
これは、1リットルのA重油を燃焼させると、2.6977kgのCO2が排出されると排出量算出方法では定義しています。
つまり、白松の浜御塩工房では、2007年1年間では、1256370.146kg-CO2を排出し、2008年には、708850.3497kg-CO2、2009年には、526995.695kg-CO2、2010年には、538703.713kg-CO2を排出したことになります。
2011年では、これらの数字のCO2がすべてゼロになる予定です。ですから、2011年末での年間削減量(前年比較)でしたら、538703.713kg-CO2となる予定です。
━━━バイオマスチップは、燃やしてもCO2は発生しないのですか?
実際、木材を燃焼させるとCO2はその際発生します。しかし、この章の下の方で説明している通り、カーボンニュートラル(木は、二酸化炭素を取り込み成長し、枯れる時、腐る時、燃える時に、成長時に取り込んだCO2と同量のCO2を放出する)の考え方では、二酸化炭素の増減はゼロ、つまり二酸化炭素(CO2)の排出は無いと計算されます。つまり、バイオマスチップは、燃やしてもCO2はゼロとカウントできます。
今、バイオマスチップは、環境にやさしい自然エネルギーあるいは、再生可能エネルギーとして注目されています。
━━━バイオマスチップは、どのくらいの量を燃焼させるのですか?
間伐材(森を整備する目的で間引かれる木材)から作られたバイオマスチップは、重油の代わりに使用される自然の豊かな地元対馬で作られた再生可能な燃料資源です。つまり、㈱白松がこのチップを購入することで、地元の林業、森林組合、地元の雇用等に貢献することができる訳です。
そんな地元で生産されたバイオマスチップですが、ボイラーの特性上、浜御塩工房では、土曜日、日曜日も含めて毎日、24時間チップを燃やし、海水を濃縮・結晶化させています。
2011年1月11日から稼働させ始めたばかりですが、具体的な使用チップ量(サイロへの投入量ベース)は、以下のようになります。
1月、2月は初めて作動させたばかりでしたので、点検作業が多く入り、稼働日数は低かったです。3月、4月は順調に塩作りが行われました。
2011年1月 286㎥
2011年2月 234㎥
2011年3月 468㎥
2011年4月 442㎥
チップの量を表すときは、㎥の単位を使用します。
順調な塩作りができれば、400~600㎥/月のバイオマスチップ使用量になるのではと思われます。間伐材からできたチップを購入、使用することで、対馬の森がより一層整備され、森を守ることにも、貢献しています。